【遊び方と役】
こいこいとは、花札の競技の一つで、「こいこい」による競技継続の選択があるなどの特徴があります。「こいこい」をして次手を待つことで新たな得点加算を期待できますが、逆に言えば新たな役ができない限りあがることができず、先に相手に役ができてあがられてしまう可能性があります。そういった駆け引きが「こいこい」の醍醐味ともいえます。
ゲームの流れ
事前準備
まず、競技を始める前に親と子を決定するため、2人で札を一枚ずつ引き(めくり札)、札の月が早いほう(月数が小さいほう)が親、もう一方が子となります。同じ月ならば、より点の高い札(光札>カス札)を引いた人が親になります。
次に親が、子に4枚(裏向き)、場に四枚(表向き)、自分に4枚(裏向き)配り、もう一度同じことを繰り返して、最終的に親子に8枚(裏向き)、場に8枚(表向き)並ぶようにします。そして残った札を山札として裏向きにおいて競技を開始します。
競技開始
はじめに親が手札から1枚取り出して場に出します。この時、場に同じ月の札があれば「合い札」となり、場札とともに手に入れることができます。「合い札」がなければ出した手札は場におきましょう。次に山札から一枚めくって場に出します。先程と同じように、めくった山札と同じ月の札が場札にあれば「合い札」で、めくった札と場札をともに手にれれます。もし、「合い札」がなければめくった札は場におきます。これで親の番は終わりで、同じことを子で繰り返します。駆け引き・競技終了
自分の前においた自札に役が成立すれば、「こいこい」か「終了」を選択することができます。「こいこい」はさらなる得点加算のために次手を期待して次のターンまで待つことで、「終了」はこの役であがるということです。もし「終了」を選んだ場合は、その時点で競技終了となり、点数計算をします。点数の数え方については下を参考にして下さい。「こいこい」を選んだ場合は試合は続行で、どちらかが「終了」になるまで続けることになります。もしどちらも「終了」せず、札がなくなって流れた場合は、「親権」として親に6点入ります。こういったことを12回(12ヶ月戦)繰り返し、最終的に合計点が多いほうが勝ちになります。
ローカルルール
相手が「こいこい」中に自分に役ができて「終了」することができれば得点が2倍になったり(相手こいこい)、点数が7点以上だった場合は2倍になるというルールもあります。それ以外にも、12回(12ヶ月戦)試合をせずに、3回(3ヶ月戦)か6回(6ヶ月戦)で終わる場合や、双方の札がなくなって流れた場合は子勝ちになる「つかず」という地方ルールもあるので、後で喧嘩にならないように試合前に確認しておきましょう。
戦略法
こいこいにおいては様々な戦略法がありますが、ここでは実践で役に立つ基本的なテクニックについて述べたいと思います。
<基本テクニック(ブロッキング)>
こいこいの戦略において、自側に役を完成させることは大切ですが、それ以上に相手側の役の成立を妨害・阻止することも重要になってきます。その際に、役になる札(役札)の札柄を暗記しておくと、試合を有利に進めることができます。
覚えておきたい役札【札柄】は次の5つです。
- 光札5枚 【松・桜・桐・芒(坊主)・柳(雨)】
- 月見・花見【桜・芒・菊】
- 猪鹿喋【萩・紅葉・牡丹】
- 赤短【松・梅・桜】
- 青短【菊・牡丹・紅葉】
この事を念頭において、相手が狙っている役、またはリーチをかけている役に対して次のような対策をとりましょう。
- 役札を相手より先にとる
- 役札と同じ札柄が場にあれば先にとる
- 役札と同じ札柄を場に捨てない
例を挙げると、猪鹿喋を相手が狙っているのであれば、先に役札3枚のどれかを自札にするか、場に役札と同じ札柄があればそれを先にとってしまうか、場に役札の札柄を捨てないようにすることで、相手の役成立を未然に防ぐことができます。
種類別の札早見表
ここでの札の得点は、花札の中でも主に花合わせ・八八に用いるもので、こいこいの出来役における役代とは直接関係しません。
出来役と点数(役代)
用語集
古くから親しまれた花札には、日常生活では馴染みのないことばが登場します。ここでは、その中で特に花札こいこいで覚えておきたい用語をあげたいと思います。
◯親 ・・ゲームの進行を担当し、ゲームの順番もこの人から始まります。
◯子 ・・親に対して相手を子と言います。
◯捨て札 ・・合わせられる札が場札にない場合に、手札を場に一枚捨てること。もしくは、その捨てた札のこと。
◯月 ・・花札では1年の12ヶ月に由来して、12の月と同数の12回戦するのが基本です。
◯出来役 ・・ある特定の組み合わせによってできる役のこと。
◯場札 ・・場に並べられた札のこと。
◯手札 ・・自分が持っている札のこと。
◯めくり札(山札) ・・場に束ねてふせてある札のこと。もしくは、そこからめくった札のこと。
◯役札 ・・出来役をつくるために必要な札のこと。
◯役代 ・・それぞれの役に決められた点数のことで、一般的な「点」のほか、「貫」や「文」も使われます。